子育て世代のお客様の中には、お仕事を引退なさったご両親と一緒に新しく家を建てる
いわゆる「2世帯住宅」にしたいご家庭も居られるかと思います。
弊社でも数多くの2世帯住宅の施工を請け負ってきましたが、内部器具や使い勝手等の
暮らしの話はまた別の機会とさせて頂き、本日は「2世帯住宅にした場合、水道料金って
どうなの?」という内容で進めてまいります。
神奈川県では、水道を新たに引き、水道局から使用許可をもらい、水道メーターを貸与して
水道が正規の手続きで使用できるようになるためには、工事もそうですが、
水道の加入金と局納金が掛かります。
水道加入金 \132,000(税込み)+水道局審査検査手数料\15,800=\147,800
2世帯住宅の場合だと、加入金・検査手数料だけで\295,600(税込み)がかかる計算になります。
中々高いですよね・・・、
そんなわけで、なるべく安く済ませる為に、水道メーターは1つにして、2世帯で水道料金を折半して
使った分だけ支払う。という方法で加入金・手数料を安く収めることもできないか?と考えたご家庭も
あるかと思います。
結論から申し上げますと
水道メーターが1つでも水の量が確保できるなら1つでもOK。
やはり世帯ごとに分けたいなら分けた方が良い(気持ち的に)
ということになります。
理由として、まず2世帯住宅でメーターを2個付ける場合、水道局に支払う加入金と
審査・検査手数料が2倍掛かります。
また、水道メーターを2カ所付けるにあたり、その分の工事費も2倍掛かります。
それだけの費用をペイするのには時間が掛かりすぎるからです。
ただ、水の使用量というのは家族構成や生活スタイルによって大きく左右され、かなり人によって
幅があります。子供が年頃になったりすると毎朝シャワーを浴びたりして水道使用量が大幅にあがる
ことも予想できます。2か月で水道代30,000円というご家庭もあるとか。
なのに単純に親世帯と折半・・・とすると心情的にどうなの?という方は
水道メーターは別々にしてもいいかもしれません。
水道料金は累進制となるので、使えば使うほど1㎥あたりの単価が増えていく計算です。
心情的には別々の方がいいかもしれません。
具体例
2世帯住宅を建設する場合で、元々親が住んでいた実家を2世帯住宅として新築する。
・1Fを両親、2Fを息子夫婦と子供2人が使用する。
・両親世帯は2名の為、月の水道料金は基本料金内に収まる形で計算月の使用量16㎥
・息子夫婦世帯は4人家族、4人世帯平均で月の使用量25㎥として計算
・水道メーターは口径25mmを1つ。給湯器は2個とする。
水道使用量の参考については、東京都水道局 平成30年度 生活用水実態調査
「世帯人員別の1ヶ月あたりの平均使用量」を元に計算します。
・下水道使用料は神奈川県高座郡寒川町の使用量を元に計算する。
計算式
水道メーターを一つだけにして水道使用量を合算した場合は、2か月で合計41㎥になるので、
下水道使用料を合わせると2か月で\9,510になります。
これを、水道メーターを各世帯別々にして、20mmのメーターを2個つけたとして計算すると・・・。
両親世帯 使用量16㎥ 水道料金は2か月で\3,605になります。
息子夫婦世帯 使用量25㎥ 水道料金は2か月で\5,442となります。
水道局加入金・局納金が\147,800追加になります。
メーター1つとメーター2つの場合とで、
メーター2世帯合算 2か月で¥9,510
メーター別々の場合 2か月で計\9,058
¥463差額が発生しました。
水道料金から、上記差額463と水道加入金等を比較し、何年経ったら
加入金と手数料をペイできるかどうか考えると
463/147800=319 319は2か月に1回の支払いなので、倍にして考えると
638か月=53年 となります。工事費含めるともっとでしょうか・・・。
正直現実的な時間ではありませんので、考える必要は無いかと思います。
計算上は金額だけで見ると今ある水道メーターをそのまま使って使用する
ほうが金銭的なメリットは大きいです。
ただ、具体例のようにメーターを1つにする場合は、元々の引き込み管の口径が
25mm以上でないと、水理計算により水量不足になり、水の出が悪くなる可能性もあります。
2世帯の場合はそれだけ蛇口の数も多くなりますからね。
加入金で節約できても、水の出が悪くて生活に支障がでてしまう・・・というなら
増径工事や、道路からの引き込み直しの工事も必要かもしれません。
水理計算は家によって全く条件が変わってくるので、ご相談ください。