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設備屋日録⑤水道管の話

水道管にも種類があることは恐らくご存知かと思いますが、一般の方が思っている以上に多種にわたります。

とはいえ、あまりマニアックなお話をしても仕方ないと思いますので、ごく一般的に普及しているもので

水道管=塩ビパイプ もしくは 水道管=鉄パイプ をイメージする方も多いんではないでしょうか。

 

前述の塩ビパイプについては、現在も使用されておりますが、鉄パイプに関しては

最近では一般住宅にて水道管で使用することは少ないです。

理由は、鉄なので腐食する事。施工性が悪く細かい箇所で使うのが大変。施工に手間も時間もかかること。

昔は現場にねじ切り機持参で鉄パイプのねじ切り、配管等もしていたのですが、今はほぼなくなりました。

 

塩ビパイプについても、一般住宅の屋外配管で使用することが多いです。

しかも最近では普通のグレーの塩ビパイプではなく、耐衝撃性塩化ビニル管 通称HIVPと呼ばれるものを使うのが主流です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水道管ですが、神奈川県営水道地域では地面から深さ30センチで埋設するという基準があります。

これにも理由がありまして、水道管の埋設深さが浅いと、冬季に凍る等してしまい水が出なくなってしまう

恐れがある為です。

北海道等の寒冷地域では、埋設深さが1mという場所もあります。工事が大変そうですね・・。

もう一点は、外部からの衝撃による水道管の保護という観点からです。踏みつけて折ってしまったり

したら、大変ですからね。

 

おうちの中の水道の配管は、現在は樹脂のパイプが主流になってきてます。

取り回しがしやすく、施工も容易で、継ぎ手も使い勝手が良く作業時間が短縮されます。

腐食することもなく水垢等スケールもつきにくく、メンテナンス面でも優位性があります。

また、熱伝導率が低いのも特徴で冷めにくい面でも優位性がありますが、傷等外部打撃に弱いため地中埋設には適しません。

 

 

一昔前は(20年程前でしょうか)おうちの中は銅製の水道管が主流だった時期もあります。

銅管は曲げられるので施工性に関しては良いのですが、継ぎ手等で枝分けする際には「ロウ付け」をする必要があり、

これに関しては作業員の腕に左右されます。また、火を使うので火事の危険もあります。

なんでも断熱材に火が付いてしまい、一棟燃やしてしまった設備屋さんもいたとか、聞いたことあります・・。

 

微弱な漏電による電蝕により管に穴が開き漏水する事故も多数あり、現在はほぼ使われなくなりました。

でも銅管が出始めた当時は「ねじを切らなくてよい」「施工性が良く仕事が早く終わる」等の理由で、

最先端の技術だったのです。

 

長く設備に携わっていると、技術革新による時代の変遷が見られて面白いです。

世の流れと共に、設備にも技術革新、効率化が確実に訪れています。

 

尚、修理に関しては各時代の水道管に適した工法や修理方法を知っていないと、確実な修理工事が出来ないのは当然です。

弊社も温故知新の精神で挑んでまいります。

 

 

 

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