長期優良住宅という制度が2009年6月に施行されてから、設備業界にもその波が来ております。
長期優良住宅の基準として
- ① 長期に使用するための構造及び設備を有していること
- ② 居住環境等への配慮を行っていること
- ③ 一定面積以上の住戸面積を有していること
- ④ 維持保全の期間、方法を定めていること
- ⑤ 自然災害への配慮を行っていること
という5項目があり、
1の 長期に使用するための構造及び設備を有している事。
4の維持保全の期間、方法を定めている事
以上の2点は給排水設備工事に関しても大いに関係があります。
給水工事については、前回のブログでお伝えした樹脂ヘッダー配管採用
https://futaba-koumuten.co.jp/news/setubi5-suidoukan/
にて条件に対応しているかと思います。
排水管についてはどうでしょうか。
長期優良住宅に対応するためには、配管の維持及び、後から交換ができる構造でなければなりません。
既存の工法の場合、一般の住宅だと基礎コンクリート内に排水管のパイプが埋まってしまっており、
何か不具合が起こったとき等、交換する工事が出来ないので、後から交換ができるように
基礎コンクリート内に排水管基礎貫通スリーブというものを入れます。
出典 :エスロンタイムズより

この基礎貫通スリーブというものを配筋時に入れ、基礎コンクリート打設後、スリーブ内に
排水管を挿入し外部に排出する構造にすることで、後から何かあってもスリーブ内の排水管を
引っこ抜いて交換できるということです。
ですが、実際は恐らくかなりの難工事になるかと思います。・・・というか、ほぼ現実的ではないというのが
設備屋からみた率直な意見です。屋内は狭い床下で工具や継ぎ手、材料持参での作業となります。また、
屋外の掘削工事も必要となり、全配管更新の場合はかなり高額な費用がかかるかと想像できます。
要は長期優良住宅にすることによる税制面でのメリットを得るために必要なだけのものと
言っていいかと思います。
戸建て一般住宅で排水管の更新が必要になる場合は、通常使用の場合であればそうそう無いかと思います。
一般的な戸建て住宅に使われている排水管としては塩ビ管がメインかと思いますが、紫外線等に当てない限り
耐用年数については、(財)水道技術研究センターが、昭和63年より実施してきた
「鋳鉄管・鋼管・塩ビ管診断専門委員会」の調査研究に伴い、使用期間が5年から34年の塩ビ管の
性能試験が行われ、50年以上あるということが分かっております。
なので、もしご購入される住宅や、現在居住している住宅が長期優良住宅対応でなくても、
特段心配することはありません。
それよりもむしろ、定期的な排水管の配管洗浄をして頂いた方が、長く快適にお使いできるかと思います。
万が一どうしようもなくなった場合でも、配管更新の方法はありますので、もしその際はご相談ください。
また、弊社では排水管高圧洗浄機を持っており、一般的な居宅なら3~4万円にて洗浄工事を承っております。
是非お気軽にご用命ください。